水土里ネット安房中央(安房中央土地改良区)
理事長あいさつ

安房中央土地改良区は、館山市・南房総市の約1千ヘクタール(10k㎡)の農地(組合員約2千2百人)に対して、丸山川上流にある「安房中央ダム」をはじめ、平久里川・滝川等に設置した4か所の「頭首工(堰)」、22か所の「揚水機(ポンプ場)」や、11か所の「ため池」等を利用して農業用水を供給するとともに、県・市・関係機関と一体となって、先人たちが築きあげた安房の豊かな農地・農村を守り、子供たちへの農法の伝承等も含め、文化・財産を未来へつなぐための活動も実施しております。
安房の国は古くから稲作も盛んで、安房管内には「ため池」が今でも243か所あり、川をせき止めて手掘りの隧道で水田まで水を送ったり、「風車」で地下水をくみ上げたり、棚田等の地すべり地帯では天水を粘土質の田に保溜するなどして貴重な農業用水を確保しながら、地域産業を担ってきました。
昭和40年代から60年代に実施された「ほ場整備(農地の区画整理、用排水・農道整備)」によって近代化農業の基盤が構築され、水稲栽培はもとより各種農作物の導入や「花き団地」の造成、そして「耕畜連携」等も含め、安房の農業は一気に発展しました。
また、東京アクアライン利用の流通形態が確立されるとともに、首都圏や県外からは房総の豊かな自然、田園風景、直売所・道の駅、美味しい食材等を求めて、多くの方々が安房を訪れております。
現在わが国の農業を取り巻く環境は大きく変化しており、米価不安定、食料安全保障(食料自給率の向上等)、肥料・飼料の価格高騰、電力・燃料費の高騰や、担い手不足、基幹的農業従事者の減少(現在の平均年齢約六十八歳)、有害鳥獣等々課題も多く、日本の農政は今まさに大転換が求められています。
私達はこれからも先人の偉業に感謝しつつ、その財産を未来に伝えていかなくてはなりません。
厳しい農業情勢ではありますが、地域住民の方々への関心を高めていただくとともに、組合員・関係者の皆様のご意見を真摯に受け止めながら「安房地域の農業振興」「農村環境の保全」「未来ある子供たちへの伝承」等のために力を注いでまいりますので、更なるご支援・ご理解をお願い申し上げます。